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目黒誠一さんからのコメント

エゾモモンガと私

エゾモモンガとの出会いは14年前である。その頃私はキタキツネの撮影をして いた。

夕方から一つの足跡を追って雪の山中を歩き回り、ふと気がつくと東の空がしら み始めていた。

何気なく立ち止まり木の幹を見上げた時である。その幹の上部に できたウロ(樹洞)からへんなやつがこちらを見ていた。それまでモモンガと言 う動物がいると言う事は知っていたものの、出会ってそれがモモンガだと気が付 く迄には少しの時間が必要であった。そのモモンガは数十秒でウロ(樹洞)に姿 を消したのである。

その朝図書館が開くのを待ちかねモモンガの事を調べたのである。ところが生態 等ほとんど書いてないのである。モモンガの事で分かっているのは夜行性である という事だけであった。早朝出会ったモモンガは夕方ウロ(樹洞)を出るはずで ある。その日からモモンガ参りの日々が続いているのである。

エゾモモンガの大きさは10才くらいの子供の握りこぶし大であり、飛膜を広げ てもハガキを少し大きくした位しかないのである。 そんな小さな動物の住みかは自然に出来たウロ(樹洞)で、その一生の殆どを樹 の上で過ごすのである。


(photographed by Seiichi Meguro, copyright© 1996-2000)

自然の宝庫北海道と言われてはいるが、その実態は日々森林が減少し、彼らモモ ンガたちの生活の場がせばめられているのである。 彼らの生活の基本となるウロ(樹洞)が出来るには最低でも50〜80年かかる のである。 それに人工林(単一種)にはウロ(樹洞)の出来る木は植えない。 モモンガ達は種々雑多な混成林でなければ生きて行けないのである。

したがってモモンガ達の未来は楽観出来ない状態にある。 私たち人間が住み着くはるか前からこの地に行きて来た彼ら、 その先住む者が危機を迎えているのである。

モモンガのみならず野性に生きる動物達は少なからず種の存続危機が進んでいる。 同じ地球に生きる生物として共存の道を考えなければいけない時が来ているので ある。

動物の住めない所に人間も住めないのだから。

目黒 誠一 (1996.06.24)



   
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